いるかいと と はるかいへい 【子育て実験台】
はるかは小さい頃、海外や新しい土地に移ることが多かったので、必ずチチかハハがそばにいたのだと思う。一人で道路を横断できるようになったのも、お留守番ができるようになったのもずっと後だった。
ある日。ゼロ歳の弟が昼寝しているのをいいことに、ハハが「ちょっと郵便局に行って来る」と言った。お留守番が怖くて仕方なかったのですぐに玄関の鍵を閉めた。
このハハがおっちょこちょいで、出しに行ったはずの郵便物が自転車のかごからすり抜けて落ちていたことに気づかず、それを見つけた親切なおじさんがうちに届けに来てくれたときには、まだ彼女は戻っていなかった。
「郵便物を拾いましたよ」と言ってやってきたおじさんに、「おかあさんはまだ帰ってきていません。」というと、「じゃぁあがって待っておこうかな」という。そんな話あるかと思って、これは怖いことになった。と。
家中の窓の鍵も全部閉めて、床にタオルケットを敷いた上で寝ている弟を上から覆いかぶさって守った。ほとんど泣きながら。このときが8歳。いるかちゃんと同じ歳ってことだよ。
“怖い”おじさんはまだ外にいる。近所のおばちゃんに電話した。「ちょっと来て」って。
おばちゃんが来たのとハハが帰って来たのがほぼ同じで、電話した直後だった。
はるかは安堵のあまり、涙が出てきた。
「はるかどうしたの?」っておばちゃんに言われた。ハハがおじさんにありがとうをしている間に。
それではるかは、「テーブルに頭ぶつけちゃったの」とか大嘘をこいた。
昔からはるかはうそつきだと思う。
しかし今考えてもおじさんは変だと思う。
あんなにチビかった弟に、いるかちゃんとかいと(海人)くんのこと(うちら姉弟と名前が似ている)を話したら、「それを偶然と言って、かたしてしまってはダメだね。」と言っていた。
わかっていらっしゃる。
ある日。ゼロ歳の弟が昼寝しているのをいいことに、ハハが「ちょっと郵便局に行って来る」と言った。お留守番が怖くて仕方なかったのですぐに玄関の鍵を閉めた。
このハハがおっちょこちょいで、出しに行ったはずの郵便物が自転車のかごからすり抜けて落ちていたことに気づかず、それを見つけた親切なおじさんがうちに届けに来てくれたときには、まだ彼女は戻っていなかった。
「郵便物を拾いましたよ」と言ってやってきたおじさんに、「おかあさんはまだ帰ってきていません。」というと、「じゃぁあがって待っておこうかな」という。そんな話あるかと思って、これは怖いことになった。と。
家中の窓の鍵も全部閉めて、床にタオルケットを敷いた上で寝ている弟を上から覆いかぶさって守った。ほとんど泣きながら。このときが8歳。いるかちゃんと同じ歳ってことだよ。
“怖い”おじさんはまだ外にいる。近所のおばちゃんに電話した。「ちょっと来て」って。
おばちゃんが来たのとハハが帰って来たのがほぼ同じで、電話した直後だった。
はるかは安堵のあまり、涙が出てきた。
「はるかどうしたの?」っておばちゃんに言われた。ハハがおじさんにありがとうをしている間に。
それではるかは、「テーブルに頭ぶつけちゃったの」とか大嘘をこいた。
昔からはるかはうそつきだと思う。
しかし今考えてもおじさんは変だと思う。
あんなにチビかった弟に、いるかちゃんとかいと(海人)くんのこと(うちら姉弟と名前が似ている)を話したら、「それを偶然と言って、かたしてしまってはダメだね。」と言っていた。
わかっていらっしゃる。