たんぽぽはるかの日常

39歳で初めて妊娠、40歳で自宅出産、41歳でエンジョイ育児。

なにかの物語かゲームの主人公かもしれない

 突如、なんの前触れもなく、立ち上がって、ある方向に向かってはるかは歩き出した。そしてその先にいたふとっちょのおじさんに話しかけた。
 「すみませんが、この空港内にlost and foundはありませんか」lost and foundとは、駅やなんかの落し物預かり所みたいなところのことで、
 おじさんは、「あぁあるよ。遠いけど」と言って、「ここ下がって、とおり渡って、あっち行って、こう行って」と説明してくれた。そして最後に「あぁ。今日は日曜だ。休みだよ。」と言った。「あぁそう。」と肩を落としたはるかを見て、「そこで聞けばいいよ」と隣のセキュリーティーチェックを指差した。
 でもはるかはそこのセキュリティーチェックを通ってないし、infomation deskに聞くならわかるけど、セキュリティーはどうだろう。とちょっと疑った。けれど、その人がそう言うのだから、10歩ほど歩いて一番暇そうなおねぇさんに聞いた。彼女は二つあるセキュリティーチェックのベルトコンベアの間の高いいすに座って、二つのコンベアを監視しているようだった。
 「あのぉ。すごく大切なもの落し物をしたんです。白い大きな大きな紙で、くるくると巻いてあるんです。」と、そこまで言って、彼女のおしりと背もたれの間の10センチに横たわっている白くて大きな、くるくるに巻いてある紙を見つけ、「Such as this one(こんな風なね)」と言った。「this is the one! I was almost crying, you know? 」そうして、彼女が差し出してくれたはるか自身を抱きしめて、ぎゅぅっとだきしめて、それから涙がぽろぽろぽろぽろ出てきた。
 はるかのBODY MAPははるかにとって、本当に大切なものだとやっとわかった。どんなにいなくて恋しかったかと。
 今でも後悔しているのは、舞い上がって、すぐにあのおじさんにお礼を言いに行かなかったこと。150mほど歩いてからあわてて我に戻って引き換えしたけれど、おじさんはもうそこにいなかった。

 この件について、はるかは「はるかを魔法使いかもしれない」とは、口がさけても言えない。いかにも、はるかがなにかの登場人物で、ゲームをしている人か物語を見ている人たちが、画面の前で「あぁ!惜しい!今BODY MAPの近くを通ったぞ!」「今視界に入ったのにぃ!」と言われている気がした。
 ともあれ、長く書きすぎた。また沖縄ンライブの後に書くわ。