謝罪に対する言葉

まだお会いしたことのない8歳の女の子ですけれど、
彼女が自転車にはねられてしまいました。

幸い、アスファルトに頭をぶつけたにも関わらず、大事には至らず、今日は元気にしているようです。

彼女の両親は、事故後、加害者に対し「娘に直接謝ってほしい」と伝え、
彼女の心の傷が深くてマイナスの作用がない限り、そうしようとしていたという言う加害者は、出向いたのだけれど。

怖い思いをさせたことに対する謝罪と、こんなことは二度としないという誓いを伝えたところ、

彼女は「いーよ」と言ったそうです。



私は、彼とケンカをして、謝られても、なかなか一言目で「いーよ」とは言えない。
「だって」とか、ぶすくれた顔をするとか、
かわいく「いーよ」と言えない。

これちょうだいとか、これ食べていい？とかに対しても、機嫌よく「いーよっ」と言えてないと思う。

ましてや被害者であれば、文句を並べられるだけ並べるかもしれない。


小学校4年生のとき、校庭に駆け出した私は、やっぱり駆け出してきた6年生のガタイのいい男の子とぶつかった。
とってもいたくって、きっと泣いたと思う。
きっと保健室に行ったり、接骨院に行ったり大げさなことをしたに違いない。

それで、翌日、その6年生は、4年1組の教室に入ってきて、私の目の前に立って、「ごめんなさい」と言った。

私は、それに対して、（きっと相当な被害者意識が強かったんだろうな）何も言わずに突っ立っていた。

そしたら、周りのギャラリーが「はるかもごめんなさい」「はるかもごめんなさい」ってささやくんだよ。

それで、そっか、私もごめんなさいって言うんだ。今。
と思って、「ごめんなさい」と言ったら、
なにかが成立した感じで、彼は去って行った。

あのときのことをよく思い出す。


本当にみんなお互いさまだよ。
お互いさまで、助け合って、傷つけて、感謝して、謝って・・・


ちょっと彼氏との間で、ブームになってます。
何か言われたら「いーよ」って、かわいく返答するんです。
それが本音でなくても、8歳の女の子のせりふをなぞるだけで、なんかいろんなことを学ぶの。

今度、彼女に会いに行くよ。
まずは、お手紙でお見舞いをしよう。
　私は、いーよってなかなか言えないの。
　だけど、あなたの言葉をいつも心とめられるようになりたいの。って。
ファンレターってこれまで、年上の人に書くことが多かったけど、だんだん変化してきたわ。
この前送ったのは、確か11歳の男の子だったから。
私が歳をとったってこと？