たんぽぽはるかの日常

39歳で初めて妊娠、40歳で自宅出産、41歳でエンジョイ育児。

希望

最近は小学校に行くことが多い。
夏休みの宿題に目を通す。
読んでいて、しょっちゅうひそかに涙している。

「今日はエコクッキングで夏野菜カレーを作った。材料に火が早く通るように、小さく切った。とてもおいしくできた。家族がおいしいおいしいと言ってくれた。朝も昼も夜も夏野菜カレーだったけど、あきなかった。」

この、毎回カレーでもおいしくてあきなかった。
っていうその気持ち。
相当なもんだ。

それで、泣けてしまう。
涙でこどもの夏休みがにじんでしまう。

「エコのことをするのは、けっこう楽しかった。これからもっとやってみようと思う。」
「外国の人のことも考えて、これを続けていきたい。」
いろいろ読んでいると、未来は明るいと思えてくる。
えらく力をもらっている。

山水人は、さんざんな雨で、上下赤の雨具を着て、足元はどろどろで、寒い中ステージに面して過ごす。楽しさ半減。それでも粘って踊る。本当は、足を挙げて踊りたい。乾いた大地に足を踏み鳴らしたい・・・。
天気の都合だけでなく、正直最初の年の方が、私は好みだったけど。
ひとつ最高によかったのは、長野・東京から来た二十歳前後のバンド。
レゲエな若いにぃちゃんたちの音はとてもよかった。
歌詞に泣けた。
「君の心で見てきたものを大事に大事にしてね。」
って、確か最後の曲はそんな内容の歌詞だった。

なんでだか。感動するものって、それを誰かに教えてあげられるほど、まんまで覚えていられないんよね。
なんででしょ?
感動したということしか残ってないっていう。
残念なんだけど、要は本人が感動するほかないってことなんだろな。
チャリ旅する人が、経験談を話すことをせずに、黙って次にでかけるという気持ちが、ほんのすこーーーーし分かる気もするような、まるでしないような。

ama&reiちゃんたちに紹介もしてもらったし、あんなに感動もしたし、その後もティピの中で同じ焚き火にあたったのに、カタカナのバンド名は思い出せない。

だけども、ここでも、未来が明るいことを垣間見た。
同じ時代にいることに心ふるえた。


一方で、ストレスフルな大人の女性を多く見る。
小さな子どもを真夜中に連れ出していながら、目が届かず、自転車によじ登って落ちた子を、「なんで離れるの!?」と、ヒステリックにしかる人や、
十字路で転んだ子を、道に飛び出しそうになったと勘違いして、「赤のときは止まれって言ったでしょ!?」と怒鳴ってやまない人。
最近、一部始終をみている場合、いちいちどうなってたのかを説明するようになった。
彼らは、痛かったんだ、と、抱きしめてほしいだろうに、第一声でしかられて、自分では何が起きたか説明できない。言葉がでない。
口が達者な私は、言葉を発す。
きっと、この女性も大変なんだろうと感じながら。

昨日の小学校の先生はイタカッタ。
5年生の男の子。一切口を開かない。うんともすんとも言わない。表情を変えない。
いろいろアプローチしてみるけれど、クラスの子の様子を見ると、どうも慣れているみたいだ。初めて接する私だけが動揺している。
しばらく話しかけ続けて、やっと何かを発そうとしているように見えるところまでやってきたとき、彼は、手元にあったものを破り始めた。丸め始めた。
ここでは、ミラーリングってやつやろう。と考え、私は一緒になって破り、丸め始めた。
彼「これな、丸めたらどうなるやろ?」
は「そやなー。結構硬い玉になるんとちゃうか?セメダインとかで固めたら。」

おっと時間切れ。
ヒステリックなおばはん先生が近づいてきて、
すごい剣幕でまくしたてた。
「何してるん?」「は?なにしてるん?」
彼はおもいっきり萎縮した。
彼をしかるその顔のまま、私を見て言った。
「なにしてるん?」

その次の学校で校長先生は言った。
「子どもたちにはたくさんの人の生き方に出会ってほしい。その方の専門的な知識や技術を教えていただくだけでなくて、その方の経験や生き方に出会って欲しいんです。どうぞ少々のことでは怒らずに、少しだけ耐えてやってください。子どもたちがみなさんにお会いできることはとてもすばらしいこと。」

私、あなたという生き方に出会って、今幸せです。
あのおばはん先生の生き方は真似たくない。

たぶんこうして憧れる人と、憧れない人の生き方に接することができるのも、希望のひとつ。