たんぽぽはるかの日常

39歳で初めて妊娠、40歳で自宅出産、41歳でエンジョイ育児。

人を見守るということ お金の要らない店~社会実験から見えたことの一部~

店を終えるにあたって、最後の週末4日間は私が厨房に立ちました。
その間に、多くの方に来ていただいて、それはそれは、もうみなさんの愛を痛いほど感じて、何がどうって言い尽くせません。
失敗を恥じていたけれど、みなさんのフィードバックを受けて、徐々に「案外4ヶ月という短期間でかなり密度の高いことができたのかもしれない」と前向きに思えてくるかも。

中学生の双子ちゃんが、4日間ヘルプで入ってくれました。
夏休みだから鍛えてやって!なんてお母さんに言われて、送り込まれたんだけど、とても自発的で飲み込みが早く、すごく優秀な双子ちゃんで大助かりでした。
お客さんも、双子だと気付くまでにいろんなサプライズがあって、あれ?あれ?って。
楽しかった~。

私自身、最初の週末の2日間は、エプロンの色でどっちがどっちって覚えてたけど、
次の週末は、あれ!?わかった!と、間違えなくなりました。

お兄さんなお客さんからは、チップをもらってました。
お客さんに、一言説明して、いろいろ不備があるかもしれないけれど、どうぞよろしく。と言っておくだけで、みなさんとってもあたたかく見守ってくださる。
ありがたいな~。

たった4ヶ月しかやってなくて、自分を腰抜けみたいにも思うけど、それでも、このお店で出会ったお客さんたちや、以前から顔見知りだけど、改めてお近づきになった人たちが、かわるがわる顔を出してくれて、本当に涙・涙。

あかちゃん連れのママさんたち、小学生の子たち、大学生の子たち、常連のおねぇさん、近所のちょっといぢわるなおばさま、みんなお店をやらなかったら出会えなかった人たち。

最期に紙芝居を読んでもらいたくて、あかちゃん5人で来てくれたのに、私はランチの仕込みが忙しくて時間が作れない。
そうだ。言ってみよう。「今日は実はお金の要らない店というのをやってみようと思っていて、それで、よかったら、ママさんたちでこの春巻きを巻いてくれないですか。そうすれば私は時間ができて、みんなに読み聞かせをできるから。」
交渉は快諾。
お互いによい思いをしました。
ついでに、9月のエピゾバングーラのライブと10月の劇団MOMOの人形劇を宣伝することもお願いできました。

その後、お昼ご飯にやってきた親子連れは、表彰式みたいに、小学生から自画像の描かれたお手紙をもらった。泣ける泣ける。ぎゅぅっと抱きしめて、引っ越したら泊まりに来てねと言ったら、とってもうれしそうに、全身で喜びを表してくれた。
それから全員で、皿洗いをしたり、まだ切ったり折ったりしていないチラシを作ってくれたり、時間をかけてやってくれました。

常連さんにも、今日はお金は要りませんよ。と言うと、えっ?それじゃ悪いなと言って、マッサージ師はお試しコースを受けさせてくれると言った。
そして、翌日もう一度来てくれて今度はお金を払って食べて帰った。

初めて来たお客さんは、それはびっくりする。
こんなことは後にも先にもこれっきりです。
お金があるのが当たり前だから、そうでないとどうなるのかやってみたかったんです。
もし、これといって何か思いつかなかったら、今度私が主催するイベントのチラシを少しまいてくれませんか?
あるいは、pay forwardで、他の誰かに親切をするでもいいし。
あんまり変な感じがしたら、カンパをいただくという形もOKです。
と言った。

寝る頃になっても、あの人たちあの後なにか思ったやろうよなーと考えた。
おそらく、顔のつながりのないお客さんというのは、あなたは100人目のお客さんですのでサービスします!と言われた感じで、LUCKY!と思って帰ったのが大半ではなかったかなと想像する。
タダより高いものはない。と言うより、運がよけりゃタダもある。
みたいな。

いろんなものもらった。皿洗いしてもらった。楽しておしゃべりできた。
手紙ももらった。
「隣の席のおきゃくさんと話したりできるのが新鮮だった。」
「いつもは関わりのない子連れの人たちとヨガを一緒にやって、ごはんも一緒に食べたりしてすごくいい経験をできた。」
って、私がねらっていたことを、ストライクゾーンで喜んでくれてる人たちからの手紙は格別だった。