たんぽぽはるかの日常

39歳で初めて妊娠、40歳で自宅出産、41歳でエンジョイ育児。

ベーシックインカムと『フレデリック』byレオ=レオニ

ベーシックインカムについてよくわかりません

でも
このよくわからない時点での、自分の考えを書いておこうと思います
よくわからない人の、直感的な あるいは 思い込み的なものとして扱ってください

国民全員が平等に一定の額を毎月受け取るというシステムがあれば、それはどういうこと?

デンマークの大学生は、申請しさえすれば
月に10万円近くもらえます
学生であれば、バイトなんかにそう明け暮れることなく、学ぶことやインターンなどの活動に時間を割くことができます


日本でベーシックインカムについて議論されるとき、シングルマザーや失業中の人など、いわゆる貧困層と言われる人たちに焦点が当てられているように思います

でも、私が考えるベーシックインカムのイメージは、(もちろん上のもあるけど)
私の彼のような、一般的に見たら、くだらないことに時間を使っているような奴らが
存分にそれをしていてもなんとかなる社会です
私に言わせれば、それがより豊かな社会であり、種の存続も含む持続可能な社会です


最初に思いつくのは、『スイミー』などで有名なレオ=レオニ作の『フレデリック』という絵本のお話です
私はこれが異様に好きだったのを覚えています

フレデリックというねずみ(野ねずみだったかもしれん)は、他のねずみたちが、春も夏も秋も一生懸命えさを集めたり、働いたりしている間
一人だけ(一匹だけ)まるで働かずに、ほとんど目をつぶっているみたいにして、ボーっとしています
それでも仲間たちは、働けよ!とか言ったりせずに、フレデリックをそのままにしておきます

そして、冬が来たとき、みんなは活動をせずに、ひとところに集まって寒さに耐えているんだけど
誰かが、フレデリックに言います
「君は何をしていたの?」(的な、春や夏や秋の間にしていたことを教えてよ。的な)
(すみません。すべてうろ覚えです)

すると、フレデリックは、詩の様に、春や夏や秋の情景をみんなに伝えてくれるの
みんなは、冬の寒さの中でも、心に春の色や夏の香や秋の豊かさを浮かべられるの

これは、あらすじではなく
私の中に残っているものです


私は、広い心のときに限って言えば、私の彼のやっていることは、フレデリックの役じゃないかと思う。(目が似ているところからこの連想は始まったんだけども)
フレデリックの役を担える人が、お金が基本の社会では、活躍できません
働かざるもの食うべからずの世の中では(働く=to get a jobでは)、はり倒されるだけです



私と彼は、今の家に来てからほとんどと言っていいほどけんかをしなくなりました

前の前の家のときは、モノが大層壊れるようなケンカをしていました
人が見たら、私をDV加害者だと言うかもしれない
私の方は口も手も足も出る

私は働かざるもの食うべからずの精神で、自分の方が働いていて、相手の方が働いていないと思うと、はり倒しがちです
(私にとっては、アンペイドワーク=家事なども「働く」に含まれます)

ケンカの頻度と家の広さは多少関係があると思っているけれど
その、前の前の家というのは、決して狭い家ではなかった

もちろん、春や夏や秋に、(ねずみたちとは違って)いらいらしながら過ごした結果、冬に思わぬ利益が彼からもたらされた経験が増えてきたというのもあるのだけど

でも、たぶん一番大きな理由は、彼が奨学金をもらっていて、金銭的にかなりフェアになってきたからじゃないかと思っています
これが驚くほど変化した要因のひとつだと思っているのです
少なくとも私は
そして、関係がフェアになってくると、家事もかなりフェアになり、よりストレスレスになってきた
二人にケンカのための時間が激減すると、今度はまともに会話する時間が増える
自分の考えていることを分かち合うと、深まって、なおよろしい
すると、他者との会話もなおのこと、おもしろくなってくる


・・・と、これは今家に居ないので言えること


ともあれ、フレデリックの役はこの世にたくさんいると思う
でも、その豊かさが活かされない
それに、フレデリックにgood question(君はみんなが働く間何をしてくれていたんだい?)を投げかけることのできる人というのは、がむしゃらに働いているうちは容易じゃないと思う

もしも、すべての国民が月に7万円くらい受け取る社会だったら、みんな週に3日位働いて、畑をしたり、歩いて移動する余裕ができたり、人と語り合う時間ができて、新しいおもしろいアイディアを実行することができるんだろうな。と思う
健康的で、エコロジーな、助け合いやすい社会だと思う
私が彼の生き方を通して、ベーシックインカムを考える肝心な条件として、もしも彼が、稼げるサラリーマン(でも家にほとんど居ない)では、気付かなかったと思う

やっぱ多少のお金とたっぷりの時間というのは、持続可能な社会のキーとなるんじゃないかと思うんよね